メディカ出版専門誌11月号にコラム「知られざる寄生虫の世界 第6回」が掲載されました

「透析ケア」2021年11月号

「透析ケア」2021年11月号

メディカ出版専門誌に、コラム「知られざる寄生虫の世界 第6回」が掲載されました。今回は、マダイの口腔に雌雄ペアで棲みつく大型の寄生虫・タイノエのお話です。

知られざる寄生虫の世界 第6回

知られざる寄生虫の世界 第6回

タイノエは、大きいもので5cmほどのメスと3cmほどのオスがペアになって、宿主の上顎に逆さまにへばりつき、その体液を吸います。私の研究によれば、タイノエの寿命は最長で6年。宿主が0歳のころに寄生し、宿主とともに成長します。寄生によって宿主の顎の骨が変形したり、成長が鈍化したりしますが、殺すまでの害はありません。

古くからよく知られている寄生虫で、江戸時代の図譜『水族寫真 鯛部』には「鯛之福玉」という縁起物として紹介されています。

タイノエの生活史や宿主への病害性についての最新の知見を、7月末に出したこちらの論文に書きました。アクセスできる方はぜひ読んでみてください。

J-STAGE Articles – Ceratothoa verrucosa (Isopoda: Cymothoidae) Infection in the Buccal Cavity of Red Seabream Caught in Iyo-Nada, Western Japan, with Some Notes on Its Co-infection with Choricotyle elongata (Monogenea: Diclidophoridae)

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