『寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち』が第48回造本装幀コンクールで「日本書籍出版協会理事長賞」を受賞しました!

飛鳥新社から出した『寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち』が第48回造本装幀コンクールで「日本書籍出版協会理事長賞 専門書(人文社会科学書・自然科学書等)部門」を受賞しました!

外箱には穴が開いており「フタゴムシ」がのぞきます。

このコンクールは、出版業界で唯一、書籍の造本技術・装幀・デザインなどを総合的に評価する賞で、受賞はたいへんありがたいことです。7月に東京ビッグサイトで開催される東京国際ブックフェアにて、一般公開されます。

UVシルクスクリーン印刷+プレス加工のカバー。
表紙には、本文で使用した点描画が入った標本瓶が並びます。天地小口をイエローで三方塗り。同じ色のしおり紐。

本書のデザインは、芦澤泰偉事務所の芦澤泰偉さんと五十嵐徹さんによるものです。「カバーにUVシルクスクリーン印刷とプレス加工を使おう」「イラストを標本瓶に入れてその写真を表紙素材にしよう」「箱に穴をあけて蟲が一匹だけのぞくようにしよう」「天地小口を三方塗りにしてインクをランダムに染みさせよう」といったデザインのプロフェッショナルならではのアイデアをたくさん出していただき、最終的に素晴らしいデザインに仕上げていただきました。

デザインにこだわったために、紙代や印刷代といった製作コストはかさみ、原価率はとんでもないことになりました。版元が飛鳥新社であったために、実現できた企画ともいえます。飛鳥新社という会社は、この本をつくった当時に僕が編集者として勤めていた出版社ですが、ユニークで類書がない企画であれば、わりとなんでもGOが出てしまうのです。

全体的な傾向としては書籍の電子化がどんどん進んでいますが、この本に施された仕掛けは数々は、平板なタブレットの中ではまだしばらく再現できないでしょう。デジタルはデジタルで長所がありますが、僕のモチベーションがあがるのはやはりアナログでしかやれないデザインです。今後もこだわった本づくりを続けていきたいと思います。ありがとうございました。

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